研究内容

1.メカノセンシング発光材料の創出を目指して

 相良研究室では、外部刺激を受けて発光色や発光強度が変化する機能性材料を研究しています。光や熱など様々な外部刺激の中でも、特に「力」、いわゆる「機械的刺激」に着目して研究を展開しています。

 例えば、Movie1では結晶性の化合物がすり潰されて緑色の蛍光色から橙色の蛍光色に変化しています。また、Movie2では、フィルムを伸ばしたり縮めたりすることで緑色の強度が大きく変化していることがわかると思います。このような力を鋭敏に検出できる材料は、様々な分野への応用が見込まれます。

Movie1

Movie2

 最近では、比較的小さな機械的刺激に着目し、微小な力を受けて吸収特性や発光特性が変化する超分子・液晶・結晶・高分子材料を幅広く開発しています。特に、1分子レベルでpNオーダーの力を可視化する、“超分子メカノフォア”の開発や、外部刺激応答特性を示す環状分子、超分子に重点を置いて研究を行っています。さらに、国内・国外の様々な研究グループと共同研究を展開することで、開発した“力をセンシングする分子ツール”を如何にして異分野で応用するかを日々検討し、新しい学術分野を切り拓いています。

2.基本的な考え方

 有機分子の発光特性を機械的刺激で変化させるためには、従来では、分子骨格に含まれる共有結合を切断したりする必要がありました。一方で、分子の集まり方を外部刺激により変化させて発光特性をチューニングするという手法を用いれば、比較的簡単に刺激に応答して発光特性が変化する材料を開発することができます。

3.これまでの研究の流れ

 我々は2007年に、とある結晶性のピレン誘導体に対して機械的刺激を印加すると、その蛍光色が青色から青緑色に変化するという現象を報告しました。それ以来、実用的なメカノセンサーとしての実用化を目指し、10年以上の月日をかけて、結晶から液晶、ミセルなどまで機械的刺激応答性発光材料の概念を拡張してきました。最近では一分子レベルで機能する「超分子メカノフォア」の開発までこぎつけています。 (下記の研究はこれまでに相良が在籍した研究室での研究成果であり、お世話になった先生方、共同研究者の皆様に篤く御礼申し上げます。)

東京科学大学 物質理工学院 材料系

相良研究室

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